11月27日(土)
ピアノリサイタルが無事終了した。
夜の7時開演なのに朝から大忙し!オレは花屋に注文したサンキライの赤い実をスクーターで取りにいき、家で作品を積んだ車に乗り換えてリリスホールに向かう。紅葉シーズンの鎌倉は、家に一番近いコンビニに行くにも渋滞にはまってしまう。道路をさえぎって歩く観光客の横を車でゆっくりと通り抜けるだけで「こんなとこに車で入ってくるな!」と怒鳴られることも。観光地に住むのも楽じゃないよ・・・。
調律を済ませ、最後の音合わせをしている横で、作業着に着替えたオレはセッティング開始。家ではあんなに大きかった作品も、広いステージの上じゃこぢんまりと控えめだ。時間が迫ってきて、だんだんと集中力が高まってきたかおるさんに冗談が言える雰囲気じゃない。こっちまで緊張が伝染する〜。
さぁ、そして本番!エメラルドグリーンのドレスに着替えたかおるさんは堂々としたもので、静かに目を閉じて、滑らかに『フランス組曲』を弾きはじめる。客席の端っこに座るオレの方は何故かカチカチ。どうか大きな失敗しませんように。真っ白になって演奏が止まったりしませんように・・・。曲に合わせて、ピアノとオレの作品だけにスポットが当たる。そこには聴覚だけでは生まれないストーリー性が浮かび上がり、あぁ、少しはオレも手助けが出来たのかもしれないなぁ、と思う。クライマックスの『熱情』を見事に弾ききって、晴れやかな表情になったかおるさんを見てオレもホッと一息。本当にお疲れ様でした!
会場に足を運んで下さった方々に厚く御礼申し上げます。作品に関するご意見、ご感想など書き込んでもらえたら嬉しいです。


11月25日(木)

今月の22日はサトシトミイエの誕生日。バースディパーティを西麻布のYELLOWでやっちゃうところはサスガ・・・スケールデカイです。夜中に始まったパーティは盟友の木村コウ、ジョン・ディグウィードなども交代でDJを担当して、なんと朝の11時まで続いたらしい(オレは5時前にリタイア)。30代後半のタフな悪ガキは見ていて面白いよねー。会場は一般客も沢山集まり超満員状態。シャンパンで乾杯してサトシトミイエの38歳は賑やかにスタートした。睡眠時間もそこそこ、翌日の夕方から西東京のトミイエ家で内輪のパーティが始まった。オレも料理人としてかりだされ、山積みの食材を片っ端から片づけていく。大根と柚子のサラダ/キノコ4種のバルサミコ風味/豚ロースのガーリック炒めカッテージチーズ乗せ/カツオの炭焼き風カルパッチョ/ホタテと湯葉とエノキ茸のワインバター炒め/アーリオオーリオペペロンチーノ/明太子のおにぎり(笑)・・・良く頑張りました。終電もとっくに過ぎてしまい、VJのヒデオ・チエ組の屋敷にお邪魔させてもらう。大好きな物だけをばらまいたような雑然とした部屋はなんとも居心地の良い空間で、映像機器とレコードに挟まれた隙間に寝袋を敷いて深い眠りに落ちていく・・・
みんな疲れてるはずなのに絶えない笑い声。充実した毎日が導く穏やかな表情。好きなことを職業にしている人間ばかりが集まると、ここまで幸せなコミュニティが完成するんだー。畑違いのオレも疎外感なく輪に入れて、楽しくもハードな3日間が終了した。今日は1週間振りにマイ布団で眠れるなーと考えているところにサトシトミイエから電話。「今、吉祥寺でうんまい日本酒飲んでるんだけど、来ない?」ははは、もう電車ないよ!っていうか、元気だねぇ(笑)・・・


11月22日(月)

八ヶ岳から帰ってきた。
1年間のうち、毎年同じ時期の1週間だけ購入する「ワンウィーク・リゾート」という別荘がある。単純な話、50人で1軒をシェアするようなものだから料金は安い。掃除の手間も要らないし、洗濯/乾燥機や電子レンジなどの装備も充実していてる。3ベッドルーム(和室だけど)に暖炉付きリビング、広く清潔なダイニングキッチン。洋食器は全てwedgwood製となかなか贅沢だ。年末年始や夏休み、ゴールデンウィークなどは特別に高く、中途半端な時期は安い。価値は下がっていくが売買も可能。定年退職した老人と自由業の人間は中途半端な平日に休みが取れるのでユースフルな制度だ。
今年も兵庫県からの兄夫婦と温泉で合流。フツウにサラリーマンのはずのオンチャ、休みを取るのがやたらと上手い。両親がオーストラリアにいるとき数回遊びに行ったらしいし、エジプトにも2回来てくれた。毎日昼寝して3週間位いたような・・・?奥様は専業主婦・マンションのローンも30歳代で完済・車は新車・毎日スポーツクラブ通い・夜の6時に電話すると家でビール飲んでる・犬と猫専用の部屋まである・・・あの人はフツウのサラリーマンじゃないのか?そのオンチャ夫婦がフルセット持参で作るタコ焼きも恒例行事。大阪では常識的嫁入り道具と言われているたこ焼き台は年季十分でサスガに美味い。食い過ぎて苦しいのも去年と同じ・・・
1年に1回、それも数年しか経ってないけど既にマンネリ感アリ。そろそろ違う場所で集まりたい気分。せっかちな日本人に、まともな別荘を買うのはリスクが大きいよなぁ・・・


11月16日(火)

キッパリと快晴無風の今朝、椅子が届いた。
山梨にstudio Y.E'Sを構える家具作家、エミコさんからの贈り物だ。先月、福井のクラフトマーケットで知り合った彼女の作る椅子に一目惚れ。さっそく物々交換を提案して好きな器を選んでもらう。謙虚な彼女は、楕円の鉢と焼酎ロックグラスで椅子と交換してくれるとのこと。なんてイイ人なんでしょう・・・ところが肝心の椅子のほうが完売。デザイン・作りの良さを考えたら安すぎるくらいだから無理もないけど・・・ガッカリ。
落胆したオレを見かねたエミコさんは、新たに作って送ってくれると言う。なんてイイ人なんだー!調子に乗ったオレ、それならばと細かい事を注文する。オーダーなんて滅多にないチャンスだから。これでロクロ用に高さがピッタリの椅子が使える!
届いた椅子を工房に持ち込み、さっそくロクロを回してみる。おおお、使いやすい!座り心地もデザインも最高!何よりも、作り手の顔が見える道具と暮らすヨロコビ。オレの陶器を『毎日、楽しく使ってるよ!』と言ってくれる人と交わしたハッピートレードは大成功!相変わらずの超貧乏生活だけど、物を作る仕事をやっててヨカッタと思える瞬間。
夢のワインバーを始める時は、飲む前から酔えるくらい素敵なカウンターを作ってくださいねー!今度はちゃんとお金払います・・・1年間タダで飲み放題と、どっちがいい?


11月07日(日)

パントマイムユニット『がーまるちょば』のステージを観に新宿まで行って来た。
パントマイムといえばヨーロッパの路上を連想させるのに新宿?・・・しかも3500円のチケットは穏やかじゃない。もともと芸には辛口のオレ、シンちゃんとカオリンの古い友達だから、という誘いがなければ足を運ばなかったと思う。期待半分でシアターTOPSのゲートをくぐる。
赤と黄のモヒカンにタイトなスーツ、黒いサングラス。機敏な動きとキレの良いリズム、計算し尽くされたオチに思わず笑いが飛び出す。古典的なパントマイムもレベルが高く2人の息はピッタリ。会場からは感嘆の溜息と拍手が絶えない。その後も趣向を凝らした多彩な芸風で幕は進み、いよいよ最後の演目『ボクサー』が始まった。スローモーションの格闘シーンに流れる心臓の鼓動。鍛えられた身体とリアルな動きに、緊張が走る。ストーリーは『あしたのジョー』+『ロッキー』÷2(誰も異論はないよね?)とボクシング・サクセスストーリーの王道。主人公のボクサーにトレーナー、数々の個性的な対戦相手、そして恋人・・・それらをひとことも言葉を使わずに2人だけで演じきった。オレは胃が痙攣するぐらい笑って、袖口が濡れるくらいポロポロ泣いた。
登場から最後の挨拶に至るまで、全くしゃべらないサイレント芸に徹する2人。彼らはいつも「国境や人種、宗教を越えた感動を!」という情熱を持ち続けている。初めて生の声を聞いた夜の居酒屋で、その美しいまでのひたむきさに、職人としてのプライドに心が震えた。世の中にはまだまだ凄いやつらがいるんだ・・・。
今日、オレはまた新宿へ。当日券を求めて昨日と同じステージを観た。昨日より笑い、昨日より泣いた。熱い職人魂に・・・泣いた。


11月02日(火)

今日は窯を焚いている。ピアノリサイタル用の組作品はかさばるので、1回の窯で全て焼けない。何回かに分けて焼くと爆発などによる全滅の心配はないけれど、色が合わなかったり、還元の効き具合で質感が変わる時がある。困るんだ、組作品だから。前回のデータを参考に、出来るだけ近い雰囲気にしたいのだが・・・気温や湿度、その他良くわからないけど同じようにいかないことが多い。電気窯でこれだもの、昔の人は苦労が多かっただろうなぁ。
前回の窯で焼けた作品をサンドペーパーで仕上げ、水漏れがないかチェック中。今日は天気が良いので庭に作品を出し、そこに水を張る。水に濡れた焼締めの肌は瑞々しく、風に揺れる水面に反射する太陽が美しい。11月とは思えない陽気の中、芝生に座って作品を眺めていると、なにやらピクニックにでも来ているような気分。今度はワインとチーズを用意して、トモダチ呼んで鑑賞会でもしようかな?
・・・でもやめた。あいつらゼッタイ調子に乗って粗相するに決まってる!