12月24日(金)
メリー・クリスマス!
暖冬の今年は雪の気配さえないけど、慌ただしくも優しい年末の空気が好きだ。今日は夕方から父とビールを飲み始めて、せっかくだからと秘蔵のワインを開けることに。シャトー・ランシュ・バージュの1997年はちょっと若いとはいえ、色・香りとも申し分のないボルドーの宝。その喉ごし、深い余韻をゆっくりと楽しんだ。たまにはちゃんとしたフルボディを飲まないとね・・・。肉を焼く前にボトルが空いてしまったので、次の赤ワインの栓を抜く。賞味期限ギリギリのフォアグラ缶やフランスから届いたばかりのフロマージュなどを食べていたら、またしてもワインは空っぽ。オレがちょっと席を外したスキに、父がゴソゴソと栓をを開けて3本目のワインを飲んでいる。何を飲んでるのか聞いたところ『安物のミュスカデ(MUSCADET)だが、そんなに悪くないぞ』と言うのでオレも頂く。確かに良い香りだな、と思ってグラスを傾ける。ああっ?こりゃミュスカデなんかじゃないぞ!慌ててラベルを見ると、そこには優雅な続き文字でムルソー(MEURSAULT)と書いてある。オレがフランスで直接手に入れ大切に保管していたムルソーが、こんな形で開栓されてしまうとは・・・酔っぱらって味もスペル(笑)もわからない(翌日は飲んだことすら覚えていない)オヤジに飲まれるにはあまりに美味し過ぎるワインだったが、これもこいつの運命かな。
夜の8時には眠ってしまった父を残し、オレは自転車で鎌倉駅へ。友人と待ち合わせてさらに夜中の1時まで飲んだ。なんだか肝臓フル稼働の日だったけど、こんなクリスマス・イヴも悪くない。


12月19日(日)

ラジオを聴きながら運転をしている。私の車ではない。
昨日テニスコートで倒れ、そのまま帰らぬ人となった友人の車だ。置きっぱなしの車を取りに行って家に届ける途中、ラジオをつけたらFMヨコハマにチューニングされていた。私が今日ラジオに出るのを楽しみにしてくれていたから、忘れないようにセットしたのかもなぁ。ラジオからはドリカムの『晴れたらいいね』が流れてくる。“いつも眠っていた帰り道/今度は私が運転するから/晴れたらいいね/晴れたらいいね/晴れたらいいね・・・”運転免許証がないダンナ様を助手席に乗せて、いつも一緒にいた二人。仲がいいほど別れはつらい。でも、そんな相手に出会えたこと、一緒に過ごした日々、羨ましいとも思う。“彼に初めてもらったプレゼントは、ベートーベンの『熱情』が入ったレコードだったのよ”と言う彼女がコンサートに来てくれたのは先月。最後に聴いた生演奏が宇治田かおるさんので良かった。それはやさしく、暖かく、とても控えめな『熱情』だったから。グルダもバックハウスも、グールドでさえ伝えられないものが、そこにはあったと思うから・・・。
マサコさん、どうぞ安らかに。


12月11日(土)

アナログ人間代表だったオレが、今ではインターネットでお買い物をしている。
鎌倉は都心にも近いし、東京は世界有数の“欲しい物が手には入る街”だ。それでもオンライン・ショッピングは魅力的。アマゾン(オンライン・ブックスストア)は、送料・手数料ナシで翌日に読みたい本を届けてくれるし、ピンポイントで欲しいものがあれば100軒以上の店から一番安いところを探すことも可能。電車を乗り継ぎ、時間と労力をかけて成し得る成果を自分の部屋で簡単に出来てしまうなんて!今日も超レア・アイテムを探しにネットサーフィン。日本で限定300個しか売り出さなかった人気商品だから、あまり期待していなかったのに運良く手に入れることが出来た。定価ならラッキー、場合によったら付加価値が付いて高くなっていてもおかしくない商品が、なんと60%引き!定価でも買う気だったオレは、労せずしてウン万円のお金を手に入れた事になる。なんだか不思議だし、どうしてそこまで安くする必要があるのか全くわからないけど、これが世の中のシステムだ。どうしても欲しい物を、世界中の誰かは手放したくてウズウズしているのだ・・・。
恐ろしいくらい合理的な話だけど、これは量産品だから出来たこと。全く同じ商品を店頭で手にとって、モノを確かめていたから買うことが出来た。実物を知らないのに、パソコンの画像だけで判断するのはリスクが大きすぎるから。オレの作品も「インターネット販売しないの?」と聞かれる事があるけど、やっぱりそれは無理。色々な角度から見て、触れて、持ち上げて、叩いた音を聞いて、臭いをかいで、お望みならば味見をしてもらいたい。人間の五感に訴える作品を作りたいと思う。来年の春、桜が咲く頃に作陶20周年記念展を鎌倉で開催予定。是非足を運んで、ふたつとて同じ物がない作品を五感で感じて欲しい。


12月04日(土)

横須賀のイガラシさんに誘われて、品川にあるオイスター・バーへ行ってきた。
そう言えば先月、西麻布を歩いていた時もやたらと目に付いたオイスター・バー。良い季節だし、最近のトレンドなのかな・・・?凄い名前(GRAND CENTRAL OYSTER BAR & RESTAURANT)のこの店、年内は予約でいっぱいだそうな。とにかく食べてみないことにはコメントも出来ぬ。いざ店内へ。
90年前にニューヨークでオープン。その世界第2号店と言うだけあって、ノスタルジック・カジュアルな店内は大賑わい。赤白チェックのテーブルクロスがイイ感じだ。さっそく10種類ほどある生ガキをメニューから選ぶのだが・・・高い、たかいよ〜。1ピース500円以上するってことは、1ダース6000円!店員にお勧めの白ワインを聞いたら、ボトルのプイィ・フュイッセで7700円と言う。思わず「アホっ!」と叫んでしまった。こんな居酒屋みたい(失礼!)な店で、スターターだけで1万円も出せるか!
パリのモンパルナスで食べた牡蠣が懐かしい。まだ明るい夕方のテラス席で生ガキとパン、そしてサンセール(好相性。)だけで満腹になるまで食べまくった。それでも2人で50ユーロほど。東京のレストランって雰囲気イマイチのくせに、値段だけは超一流だよな・・・。
結局、生ガキはひとり2ピースだけ。ワインは南アフリカ産のシャルドネ。他カラマリのフリッターやフライドオイスター、牡蠣のリゾットやシーザーサラダなどを食べてきました。どれも美味しかったし、楽しい夜だったけど・・・今度は生ガキで満腹にしたいな、やっぱり。