02月27日(土)
『トゥルーチャ(マス)のいる川って近くにないかな?』
『湖でもいいけど…トゥルーチャじゃなきゃダメなんだ。どこか知ってる?』
こんな質問を繰り返してきた甲斐があって、今日はお楽しみの釣り遠足。若い職人と3人で山道を歩き始めたのだが……キツい。標高のせいか?ビール飲んでから出かけたせいか?…とにかく息が苦しい。痩せっぽのホセはともかく、デブのフランシスコにまで遅れをとるのは屈辱だ…。汗をかきながらひたすら山道を歩く…。

尾根から素晴らしい景色を眺める。遠くに見えるラキラの街は、あちこちの煙突から煙が出ていてなんだか幸せな気分。職人って素敵だな、やっぱり。1時間半で渓流に到着。が、水は濁っている…水道水と同じかよ!粘土質の土壌を通るからだと言うけど…本当かなぁ?

滝壺に向けてスプーンをキャスト。わざわざ日本から持って来たパックロッドとフランス製のリール。マスがいるなら必ずヒットさせてやる!…いるならね…。しかし…魚影もなく、仕方なく次のポイントに移動。今度の場所はラゴ(湖)だが、間違いなくマスはいると言う。歩く事さらに1時間。山をいくつ越えたんだ…?

…コレは貯水池?こんな所にマスが?疑う前にとにかくキャストしよう。3ポンドの極細ラインに、マスが飛び出さずにはいられない日本の特製スプーン。腰を屈めて丁寧にキャスト…と、その横でヤツらは糸の先にゴツい木の棒(ウキのつもり?)をつけたものをぶん投げている!竿もリールもなし。餌はその辺を飛んでいる虫…マジか?

いきなりヒット!ゴツい棒が水中に消える。すると糸巻きを持ったまま土手を駆け上っていくホセ…まさに走る人間リール!糸の先の魚も、土手を引きずられながら砂だらけで暴れている。なんというワイルドな釣り…てか、マスじゃねぇぞソレ!変な魚を8匹釣り上げてご満悦のホセとフランシスコ。1匹も釣れなかったオレ…。

『タク?やっぱり餌をつけなきゃ釣れっこないよ。このエサ使うか?』

…ほっといてくれ。


02月25日(木)
7人に確認を取ったのに…7人が全員間違えた情報をくれた。工芸品公社のスタッフ、ラキラの住人、ラキラ市長に…現場で働いている職人まで!
『ロクロの回転?ラキラは右回りだよ。そう、時計の回転と同じだ!』

…現場に行くと、どの職人も反対回転…左回りである。オレは25年間ずっと右回りだったので、いきなり逆回転は無理だ。プロ野球の右投げピッチャーに『明日は左で投げてくれ』と言うようなもの。キャチャーには届いても、当然勝つ事は出来ない。

そう…職人はプライドが高い。オレがへぼいロクロを見せたところで誰も言う事なんか聞いてはくれない。逆に腕を認めれば、全ての活動がスムーズに行くだろう。最初は特に大切だから…逆回転で素人みたいなロクロを見せる訳にはいかないのだ…でもどうしよう?

…工房の片隅に、壊れたロクロが1台。もちろん反対回転だが、軸の下の方に大きな円盤がついている…蹴ロクロになる.足で蹴るなら反対にも回るはず。やってみるしかない!

土を天板にのせる。職人達がこっちを見ているのがわかる。不安定な台に半ケツで座り、足で蹴る……重い!モーターが逆回転を邪魔して凄い抵抗である…蹴った勢いの惰性で作るのが蹴ロクロだが…コイツは蹴っている分しか回らない…

なんとか平鉢を作りました。あの無理な体勢でここまでやったんだから…褒めてくれ〜(笑)


02月24日(水)
ラキラからミニバスで30分で行けるビジャ・デ・レイバは、コロニアル風の街並が美しい観光地。オレは観光ではなく買い出しに行って来ました。すごい石畳だった…そこでウェボ・エル・カンポ(田舎の卵=自然飼育)を買って来たので、今日の昼は『天津飯』にする。

グリンピースをサヤから剥いて湯の入った鍋に。醤油、砂糖、塩、みりん、酢の代わりにレモン汁、そして中華だしを入れてコトコト。最後に片栗粉の代わりに水溶きMAIZENA(コーンスターチ?)を入れてとろみを出す。ごま油で炒ておいた茄子、ニンニク、ネギを鍋に投入。そして熱しておいたフライパンで牛乳入りの卵を焼く。半生でポルファボール!

コンロを3個同時に使いながら…12分で完成。ご飯をよそって、卵そして甘酢ダレをかけて完成!器はコロンビア製(ラキラじゃないけど…)200円ナリ。

お味は?ん……ヘンハオチィ!(ウマい!)


02月23日(火)
エーゲ海に浮かぶ宝石のような島・スペッツェスに滞在していた事がある。早朝に市場でキャベツを買い、アパートの裏庭に植わっているレモンの木から実をもぎ取る…。この島で覚えた美味いのサラダの作り方。

・千切りキャベツをボウルに入れてに塩で揉み、皿をかぶせて重石をのせる。
・15分経ったら水を切り、レモンをたっぷり搾りオリーブオイルをかける。
・塩味を調整して、食べる!

昨日、市場で買った紫キャベツ、キュウリ&アボガドで、ギリシャの味を再現。ここの庭にもレモン?ライム?の木が沢山!使い放題です。丸々1個〜2個は絞る。たっぷり使うのが美味しさのコツ。ちょっと固い野菜も、重石があればちょうどいい歯ごたえに。気分によって、バルサミコ酢をかけるもよし。

・にんにく・バルサミコ・オリーブオイル・レモン。
イタリア料理の四天王(オレが決めた)が手元にある生活=美味しい毎日!いただきまーす!



02月21日(日)
外国で、ほとんどの店が閉まっている日曜日にガッカリした経験をお持ちだろうか?イスラムの国なら同じ事が金曜日になる。どちらにしても、週末の外食やショッピングは日本のようにはいかない事が多い。コロンビアの田舎ではそれが逆転する。

今日はラキラに来て初めての日曜日。家のまん前にあるカルロスのレストランは週末にしかオープンしない。平日に店を開けても…誰も来ないから。そして町の中心部にマーケットがオープンするのも日曜日だけ。野菜が買える週に一度の機会だから…オレも朝からてくてく町に向かう。道をすれ違う人はみんな野菜を沢山抱えてる。売り切れてないか心配だなぁ…。新鮮で美しい…とは言えないが、多くの素朴な野菜と果物が並んでいる様子に、なんだかホッとした。脇ではバーベキュー屋台が店を連ね、煙の中でビールを飲むオヤジ達で大賑わい(朝から飲んでいるのは平日も同じだが…) !

たかが15分の道のりとはいえ、1週間分の野菜と果物、その他食料を手提げビニールで運ぶのはちょっとキツい。こんな事態を予測して?ボゴタで買ったMAMMUTの45Lアタックザック。シンプルな1気室は買い物向き?だし、なかなかカッコいい。でも、こうやって歩いていたら…誰が見ても旅行者だろうな…。帰宅して、大量の野菜を仕分けてから、洗濯。乾いた空気と強い日差し…30分もあれば乾いちゃうだろうな〜



02月19日(金)
来週から始まる仕事のプレ調査のため、ラキラの工房を視察。昨夜、飲み屋で知り合ったアレハンドロの案内で、日差しのキツい急な坂道を登ったり降りたり…気分はアッバス・キアロスタミ監督。

@アレハンドロはニヒルなインディヘナ。腕のいい職人だ。ロバート・デニーロみたいな表情をするのでハッとさせられる。だが仕事中も常にアルコールを補充しているので言葉がほとんど理解できない…

Aジョージクルーニー似のこのオッサン、削りの仕事がメチャクチャ早い!毎日同じ形のカップを1000個ぐらい削っているんだろう…。テレビを見ながらロクロを回してた。ここまで来ると名人と呼んでいい。

B1杯25円の地酒・グァラポを回し飲みする職人のおっちゃんたち。しかし…目を引くのは奥で洗濯をする魔女のような婆さん…三つ編みに帽子、そして映画の中でしかありえない頭のデカさ!

…ヴィム・ヴェンタース監督がラキラに来たら…フィルムを回すだろうなぁ。



02月18日(木)
アフリカのルワンダに赴任したマイはかなりの美人だが…酔っぱらってオレの部屋に前歯のかけらを落としていった強者だ。彼女は今、だんだんと黄緑色になっていく汚れた水だけで生活をしているらしい。同じボランティアでも、やっぱりアフリカ組は群を抜いて厳しい生活を強いられる。…協力隊らしくていいけどね。そのマイに、こちらの快適な毎日を自慢げに伝えて…ふと改めて水道水を眺めてみると…おお!ここの水もほんのり黄緑色やんけ〜! スパゲティを茹でようと鍋に入れた水を眺めながら考える。

◆『しょせんは茹でるだけの水。飲む訳じゃないんだしこのまま使うか?』
□『でも…せっかく作ったパスタが変な味になってたらどうする?』
◆『3Lのミネラルウオーターを捨てちゃうなんて…モッタイナイだろ?』
□『腹でも壊したら…水をケチって病気になるなんてハズカシイ…』
◆『もう塩も入れちゃったよ!覚悟を決めたら?』
□『昨日歯磨きのあとピリピリと苦かったのは…この水のせいだよ…?』

結局、オレの中の黒悪魔◆が押し切って、この黄緑水を使う事に。 どこに引っ越しても、最初に作るパスタはアーリオオーリオペペロンチーノと決まっていたのだが…なんだか水の味がモロに出そうで不安なので、なすとトマトのスパゲッティに変更。…まぁまぁ美味しかったです。早速に大家からデカ水(ミネラルウォーター?)を譲ってもらう。高くはないが、やっぱり飲む専用かな。もったいないし。でもこの原始的なホルダー、ちょっと素敵でしょ?


02月17日(水)
ラキラの標高は2200m。ボリビアやエクアドルの都市に比べればかわいいもんだが、それでも高地には変わりない。標高が10m上がると1hPa気圧が下がるから…平地が約1000hPaだとすると、ラキラは780hPaぐらいか?

標高が上がるとなぜ気圧が下がる?単純に下に行くほど沢山の空気が重くのしかかってくるから。『空気のような存在』である空気の重さも、それなりに身体に影響があるのだ。圧力がかかるほど水の沸点は上がるので、高地に行けば沸点は下がる。エベレストの山頂でボコボコ湯を沸かしても70℃ぐらいと言われている。ここラキラの沸点は92℃ぐらいだろう。たかが8℃の差だが、料理には大きく影響してくる。スパゲティはいつまでも芯が残っているし、お米も上手には炊けない…。高地では、圧力鍋が家庭の必需品というのもうなづける話だ。

オレが日本から(重いのに…)持ち込んだ圧力式炊飯器。上蓋にゴムのパッキンと、しっかりした金属製の『ツメ』が2個付いているのが特徴だ。日本で美味しく・早く炊くための炊飯器だが…これを使わない手はない!低地で108℃まで温度が上がるということだから、理屈ではラキラでも100℃まで上がり、普通に美味しく炊けるということ。期待十分で今日、初使用。結果……めちゃ美味い!日本でも鉄鍋(ルクルーゼ)で米を炊いていたオレが最新式の炊飯器を使うなんて…ちょっと抵抗があったが、これは持ち込んで大正解!標高2600mのボゴタでは、圧力鍋で炊いていたのだが…その時と同じコメとは信じられないくらい美味い。

ラキラでは入手不可能なカリフォルニア米『BOTAN』の23kg袋も手に入れたし、大量の日本食もスタンバイしているし…この国で食事に苦労することは、まずないだろう。なによりコロンビア料理…特にラキラのレストランはどこも美味しいから!


02月15日(月)
ラキラに到着。ここが…これからの2年間を過ごす場所。

今日が本当の意味での初日です。家の契約も無事に終了して、荷物を部屋に入れて…JICAのスタッフはボゴタに帰りました。ぽつんと家に取り残された感じです…でも、キャンプに来た時の深い闇を思い出して…なんだか幸せな気分。ブーゲンビリアの咲いている夜の庭を歩く。Tシャツ一枚でも寒くないのに、蚊がいない。なんてイイ所なんだろ!ここが凄く気に入りそうです。写真はベッドルーム(兼リビング?)。コロニアル風ですな!


02月13日(土)
海外での生活…それも途上国となると、現地調達が不可能なモノは沢山ある。開き直って日本を忘れるのも潔いのだが…やっぱり便利なものは持ち込みたいものだ。甘えん坊将軍だからな…オレ。出発前に肛門科で陵辱を受けたのは記憶に新しいが…コロンビアの病院で同じ目に遭うのだけはなんとしても避けたい。誤解のないように言っておくが、オレは痔ではない。ただウォシュレットに慣れた先進国仕様の蕾に成り下がってしまったオレの肛門が2年間、悪質の紙に拭かれ続けて大丈夫かどうかの不安はある。この国ではケツを拭いた紙は流す事は出来ず、横のゴミ箱に入れるルール。少量の紙で完全に拭き取る事は不可能だし、食べ物や水の問題で下痢に遭遇する機会も多いだろう。ならば…尚更…欲しいよウォシュレット!

そんな諸君(オレ)に絶対おすすめなのがこの商品です。
TOTO製の『トラベルウォシュレット』

・格納されたタンクに水道水を入れ、ノズルを起こす。
・強(3穴)弱(5穴)を選択してスイッチオン!
おおお〜!カ・イ・カ・ン(薬師丸ひろ子風に)これだけは忘れずに持って来たぜ!毎日愛用中〜。単3電池1本で1ヶ月以上持ちます。これで7000円は安い!

02月08日(月)
今日は語学の最終試験とプレゼンテーションの日。つまり…今日で語学訓練は修了です!やっと自由になれる〜。10分間、原稿を(ほとんど)見ずに話す。まぁ、覚えて覚えきれる量じゃないし…自分の言葉で話すしかない。過去のはなし、仕事の事、そしてこれからのこと…なんとか話し終えると、オレの先生だったエバが半泣きで抱きついて来た。

『ムイビエン!立派に話せたね!タクは本当に特別な生徒だよ…』

出来の悪い生徒だったからなのか、最終日で感傷的になったのか…?でも、たった1ヶ月だけの教え子に、ここまで気持ちを入れて接してもらえた…そのことに胸が熱くなる。『仕事が始まればなんとかなるか…』そんな気持ちで授業を受けていたオレに対し、先生方は真剣だった。赴任先でスムーズに過ごせるように…すげぇ心配してくれていたんだよな。この国で、まだ一度も嫌な目に遭っていない。これからも、きっと上手くやっていける気がしています。さあ、ラキラ赴任まであと1週間!